あら捜しをしない



人間関係をもっとも悪くする行動の一つは、人のあら捜しです。夫婦、親子、同僚、友人関係の中で必ずと言っていいほど悪影響を及ぼすきっかけとなります。「人の良いところよりも、悪いところが気になってしまう」「人の欠点をみたらイライラする」「なんとか自分が人の欠点を直してあげたいと思う」「本人のいないところで、その人を悪くとられかねない話をする」など、無意識にあら捜しをしている人も少なくありません。そんな自分を克服して、良い人格を築いていきましょう。


あら捜しをしないようにするには、どうすればいいのでしょうか。


ある実験で、冷戦時代のアメリカの学生に、ソ連が好きかどうかを尋ねました。そしてその後、好きな学生には「社会主義に反論する論文」、好きではない学生には「社会主義を賛美する論文」を書かせたのです。すると論文を書いた後、約60%の学生が、元の考えを180度変えたそうです。自分の考えと違った行動をとると、人は自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態が起こり、これを解消するために自身の態度や行動を変える傾向があることをこの実験は示しています。


この心理を利用して、誰かに対してのネガティブな思いがある時は、逆にその人のポジティブなところを探して、紙になるべくたくさん書き出してみる方法があります。


また、他に大切なことは、その相手に対してネガティブな感情を持ったとしても、それを言葉にしない、態度に表さないことです。難しい時は、自分自身にも弱さや欠点があることを思い出してください。自分のモノサシと違う言動をする相手に接すると心が反応してしまうのは自然なことですが、そこからどう行動していくかは自分次第なのです。

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