2020年1月30日木曜日

【無意識に演じているかも?】家族の中の役割




 家族療法では、治療を受ける人やその人の心の中に問題の原因があるという考えではなく、家族という一つのまとまりをもったシステムの問題である、という見方をします。そして、家族ひとりひとりが、健全に機能していない家族を助けるために、無意識に演じているとされる役割に注目します。今回は、そんな役割の代表的なものをご紹介しましょう。


 ヒーロー 自分が成功したり、世間に評価されるような子供になって、家族の中のヒーローやヒロインであることにより、家族を盛り上げようとします。たとえ、不健全な状態の家族でも、家族がその子に注目することによって、一時的に悪い状態がおさまることもあります。他人の責任まで背負ってしまう「良い子」であろうとします。


 マスコット 家族内での緊張をほぐそうとして、おどけたり、面白いことを言ったりします。可愛がられることで、周りの注目を集めながら、家族を楽しませようとします。雰囲気をよくしようとするために、本当は気分が落ち込んでいたとしても、明るくふるまってしまうことがあります。


 スケープゴート 自分が家族の問題を一気に引き受けて、社会に背を向けた生き方をします。自らが問題児となることによって、他の家族の人々がそれぞれ自分の問題から目をそらすことを助け、家族全体の本当の意味での崩壊を防ごうとするのです。


 ロストチャイルド 目立たないように静かにしていて、家族とは少し距離をつくります。自分には関心がなく、自己主張もしません。家族がみんなで盛り上がっているときにも参加せずにいなくなってしまったり、いないということさえ気付かれなかったりする場合もあります。

 プラケーター 慰め役で、家族の中で落ち込んでいる人に優しい言葉をかけたり、話を聞いたりします。小さい子供が、いつも親の話をきいて慰めてあげたりするような役回りをしていることもあります。


 家族のために、このような役割を演じていることによって、生きにくさを感じたり、心が疲れることがありませんか。そんな役割を捨てて、違うふるまいをする選択もあるのです。また、家族の一人でも、その役割を変えていけば、家族全体の役割や関係を変えることも可能なのです。一人一人が無理をしないで、本来の自分らしく生きていくために、そんな役割を降りることも必要かもしれません。





2020年1月23日木曜日

夫婦・恋愛関係で努力すべき6つのエリア



 ラブストーリーでは、けんかして、泣いたり怒ったりしながらも、最後には決まって「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」となりますよね。永遠の愛さえ誓えば、幸せがずっと続くものなんだと期待しすぎると、問題が起った時、それは相手の欠点のせいだと感じてしまいがちです。

 しかし実際には、元々価値観が全く違う二人が一緒になったのですから、それぞれの努力なしでは幸せはやってきません。努力とは「彼の努力、彼女の努力、そして、二人での努力」の3つが合わさってこそ成り立ちます。今回はカップルセラピーの時によく出てくる6つのエリアをご紹介したいと思います。

1)コミュニケーション
我慢しすぎたり、すぐに怒って爆発したり、皮肉を言ってしまうことはありませんか。両方の気持ちを大切にしながら、相手が受け取りやすい言葉で自己主張できるようにしましょう。

2)金銭感覚
お金の感覚の違いはお互いに言いにくいものです。「贅沢しすぎ」「ケチ」などと相手を批判する気持ちが出てきたら要注意です。

3)スキンシップ
スキンシップや性についての悩みは、愛情がないのでは?など誤解が起こりがち。努力や理解によって、より良い変化を起こしやすい可能性が高い分野でもあります。

4)家事に対する感覚
  出来たと思っていても「出来ていない」と指摘されたり、相手の中途半端さに苛立ったりしがちです。不公平感や不満を感じやすいエリアです。


5)義理の親・親戚に対する感覚
  両親や親戚と過ごしたい時間の長さやどれくらい大切にしたいかの感覚も人によって変わってきます。自分の当たり前が、相手や相手の家族には当たり前ではないのです。

6)(子供がいる方は)子育ての方針
方針が違って喧嘩に発展すると、苦しむのはたいてい子供です。


 価値観の違いを尊重し、相手を理解しようと謙虚な気持ちになり、相手に伝わる言葉で上手く伝えてあっていきましょう。2人で話が難しい場合は、専門家に頼ることも解決の早道になるかもしれません。

2019年9月21日土曜日

【講演会のご案内】ジャムズネットワールド講演会でお話しします



11月3日に海外に住む日本人のための医療支援ネットワークであるジャムズネットの講演会がシンガポールで開催されます。

シンガポールの医療や科学の専門家をはじめ、日本やアメリカからも素晴らしい先生方が来られて、お話をしてくださる予定です。

第1部はシンガポールでご活躍されていらっしゃる専門家の先生方からの講演です。こういう機会でないとなかなか聞けないアカデミックな貴重なお話が堪能できそうです。

第2部は海外での子育てや古武術介護、デング熱の情報など、生活にお役に立ちそうな話題が多くあり、私個人もお話聞きたいなと思っていた先生方が多くいらっしゃいます。

私も第2部で講演させていただく予定です。クライアントさんにもよくご紹介させていただいていて、「わかりやすくて心に残る」とご好評いただいている『イライラをどうコントロールするか?』 についてお伝えします。皆様の生活の中のいろんな場面でお役に立てるものになればと願いながら、心理士さん仲間と一緒に準備させていただいています。


講演会の詳細も以下に載せておきますね。
このような盛りだくさんの日本語で聞ける医療系講演会は、シンガポールではなかなかないと思いますので、お時間がある方はぜひご参加ください。

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邦人医療支援ネットワークJapanese Medical Support NetworkJAMSNET)は、国境を跨いで活躍する日本人を応援する非営利団体で、世界中にネットワークが拡がっています。
この度、シンガポールにお住まいの皆様のお役に立つような講演会を企画いたしました。
シンガポール、ニューヨーク、東京から様々な分野の専門家が分かりやすくお話します。是非ご参加下さい。

【日時】2019113日(日)
【会場】Oasia Hotel NovenaB1 会議室名「Courtyard Rooms」(住所:8 Sinaran Dr, Singapore 307470

【参加費】一人$10 会場にてお支払ください

【参加登録】定員100名 
未登録の参加も可能ですが、参加人数把握のためできるだけ登録をお願い致します。

 【講演会プログラム】
出入り自由ですので、お好きなプログラムにご参加下さい。
お子さま連れもご参加いただけます(託児所サービスはありませんのでご了承ください)
1
11:45-12:05
「シンガポールの科学技術政策の変遷」
井上雅文(A*STAR: シンガポール科学技術庁/EDDC: 医薬品開発研究所/診断技術開発室長、Ph.D.
12:10-12:30
「白血病研究余話:「抗がん剤・骨髄移植」はもう時代遅れの治療?!」
 大里元美(シンガポール 国立大学 がん科学研究所 准教授)
12:35-12:55
「脳機能マッピングの最前線」
北田 亮(シンガポール南洋理工大学 社会科学学部准教授)
13:00-13:20      
「木を見る西洋人、森を見る東洋人-空気を読む力は環境に優しい-」 
伊藤健一(シンガポール南洋理工大学 社会科学学部助教授)
2
13:30-14:20
「海外で子どもを育てる」 
バーンズ亀山静子(スクールサイコロジスト School Psychologist/ニューヨーク日本人教育審議会教育相談室/JAMSNET理事・JAMSNET東京理事)
14:25-14:55
「イライラをどうコントロールするか?」 
相賀ゆか (公認心理療法士(米国・シンガポール)/あいがこころケア/ンガポール日本人会クリニック)
坂牧円春 (臨床心理士・公認心理師/シンガポール日本人会クリニック/ンガポール日本人小学校チャンギ校)
長谷川麻衣(臨床心理士・公認心理師/Eis International Pre-school
原田舞香 (臨床心理士・公認心理師/シンガポール日本人会クリニック)
松永法子 (臨床心理士・公認心理師/シンガポール日本人会クリニック)
15:05-15:55      
「日本人帯同家族のキャリア分断と回復(リカバリー)」 
 井上孝代(臨床心理士明治学院大学国際平和研究所名誉教授井上孝代マクロカウンセリングセンター(MCC目黒)代表/JAMSNET東京理事)
16:00-16:50  
「古武術の身体運用に学ぶ生活・介助動作」
  岡田慎一郎(理学療法士・介護福祉士/JAMSNET東京 事務局)
 3
17:00-17:20
「デング熱、ジカウイルス感染症の最新情報」 
 濱田篤郎(医師/東京医科大学病院渡航者医療センター教授/JAMSNET東京理事)
17:25-17:45  
「日本におけるがん治療の動向」胃がん(磯崎)・肝臓がん(三村) 
磯﨑博司(医師/おおもと病院 院長・消化器外科)
三村哲重 (岡山済生会総合病院副院長)
【問い合わせ先】


JAMSNETワールド会議準備委員会 jamsnetworld.singapore@gmail.com

2019年3月7日木曜日

【心の中の片づけをしませんか】マンゴスティン倶楽部3月号


マンゴスティン倶楽部3月号に連載コラム「人間関係の悩みをほぐす こころのエステ」~心の中の片づけをしませんか が掲載されました。

忘れられない思い があれば、
それって、つらい気持ちになる「執着」なのか、
思わずにっこり微笑んでしまう気持ちになる「愛着」なのか。

愛着のある思い出はこころの宝物にしまい、
執着のある思い出はこころのごみ箱にすてちゃいましょう!

ヘルプが必要な時は、カウンセリングを上手に利用してくださいね ↓

こころケアの専門家 あいが こころケア
by 相賀ゆか
Yuka Aiga Tay, MA MFT




2019年2月16日土曜日

もし誰かが意地悪なことを言ってきたら




もし誰かが怒りの言葉や

意地悪なことを言ってきたら、

仕返ししようという気持ちを

なんとか抑えましょう。



蜂に刺されたからといって、

蜂をたたいたところで、

受けた傷は早く治るどころか、

もっと深い傷になってしまいます。

2019年2月14日木曜日

おかげさまで開業1周年を迎えることができました


おかげさまで あいがこころケア は開業1周年を迎えることができました。

たくさんの悩みを抱えていらっしゃる方々がお越しくださり、その中の多くの人々が満足してカウンセリングを卒業されていくのを見送らせていただき、感謝でいっぱいです。


「ホームページをみて来ました」という方が多かった開業当初と比べ、

最近では、元クライアント様からのご紹介がたいへん増えたことも、嬉しくありがたいことです。

というのも、他の専門家やお店などと違い、

こちらに通われていることを他の方に知られたくない、という方が多い中、

「友人にも自分と同じように幸せになってもらいたい」

と言ってくださった言葉や思いは大きな励ましになっています。





また、印象深いのは、上記のようなお悩みがある方だけでなく、

自己肯定感を育てたい、

安心できる環境で話がしたい、

自分の長所を知りたい、

メンタルを強くしたい、

将来心理カウンセラーになりたい、

日本の臨床心理士さん・産業カウンセラーさん・結婚カウンセラーさんへのコンサルテーション、

国際バカロレアのプログラムを受ける方への心理学のクラス、

学校やクリニックへの出張カウンセリング 

など、多岐にわたったご依頼があり、本当に貴重な経験をさせていただいた一年でした。


これからも、相談に来てくださる方の期待にこたえられるように、一層のサービス向上を目指していきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。


2019年1月31日木曜日

夫婦関係で怒りの問題に直面した時


心理カウンセラーの相賀ゆかです。今回は、私が一番多く扱っているケースの中の一つ、人間関係、特に夫婦関係で怒りの問題に直面した時の対処法の一つをご紹介したいと思います。


いつもカウンセリングセッションでもお話しているのですが、「怒り」自体は悪いものではなく、怒りによって、自分がこうしたいんだな、これがいやなんだな、というシグナルを与えてくれる大切な感情です。ただ、その感情の表現の仕方をとても慎重にしないと、誰かを傷つけ、自分を傷つけ、モノを傷つけ、大切な人間関係を傷つけるということになってしまいます。


多くの夫婦関係の中で、この怒りの問題は、二人の関係に対して最も影響が大きいものだと感じます。つまり、その人が怒りを健全で建設的に取り扱うことが出来たら、夫婦関係、それだけにとどまらず、親子関係、友人関係、同僚との関係など、すべての人間関係をより良くすることも可能かもしれません。また、その人間関係自体が良くならなかったとしても、その方の心の中のモヤモヤは消したり、平和的で落ち着いた気持ちで周りの人と接することが出来たりするために大きな助けとなることなので、日々自分自身でも研究を続けつつ、どのようにクライアントさんにご紹介すればよいか、考えています。



カウンセリング療法の中で代表的な一つである認知行動療法のセルフヘルフブックを多く執筆しているデビッド D.バーンズの著書「もういちど自分らしさに出会うための10日間ー自尊感情をとりもどすためのプログラム」の中に(p78)健全で建設的な怒りの特徴と、不健全で破壊的な怒りの特徴の表があるのですが、これは自分が「どのように怒りを表わしているのか」の気づきを与えてくれるきっかけになれば、と思い、シェアさせていただきます。




健全で建設的な怒りの特徴
不健全で破壊的な怒りの特徴
1.あなたは感情を適切な方法で表現します。
1.あなたは自分の感情を否定し、ふくれっつらをしたり(消極的攻撃性)、相手にくってかかったり手を出したりします(積極的攻撃性)。
2.あなたは、たとえそれに不賛成であっても、相手の視点から物事を見ようとします。2.あなたは自分を守ろうとする態度で議論に臨み、相手の意見に妥当性はないと言い張ります。
3.あなたは相手に強い怒りを感じていたとしても、相手への尊敬の念を伝えようとします。
3.あなたは相手が軽蔑すべき人物で、罰に値すると信じています。あなたは恩着せがましく失礼な態度をとります。
4.あなたは何か建設的なことをすることによって、問題解決に努めます。
4.あなたは諦めてしまい、自分を無力な犠牲者とみなします。
5.あなたはその状況から何かを学び、将来は同じ過ちを繰り返さないよう努めます。
5.あなたは何も新たに学びません。その状況に対する自分の見方は絶対に妥当であると感じています。
6.あなたは最終的に怒りを忘れ、再び幸せな気分を取り戻します。
6.あなたの怒りは常習的になり、忘れることができなくなります。
7.あなたは自分の行動を点検して、それが問題の原因にどのように関わったかを調べます。
7.あなたは相手を責め、自分を無実の犠牲者とみなします。
8.あなたは、自分も相手も、理解に値する妥当な考えと感情をもっていると考えます。
8.あなたは自分がすべてにおいて正しく、相手はすべてにおいて間違っていると主張します。あなたは、真実と正義は自分の側にあると考えます。
9.あなたは相手への関与を徐々に深めて行きます。あなたの目標は、相手に対する親近感を得ることです。
9.あなたは相手を避けたり、拒絶したりします。あなたは相手を見限ります。
10.あなたは、自分にも相手にも有利な解決を提案します。 10.あなたは相手と戦い、あるいは競争していると感じます。どちらかが勝てば、どちらかは負けることになります。


  「もういちど自分らしさに出会うための10日間ー自尊感情をとりもどすためのプログラム」(デビッド D.バーンズ著)

 なかなか自分が怒っていることに気づきにくいものですが、表の右のような考えがあるとすると、不健全で破壊的な怒りのループにはまっているかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね。





【無意識に演じているかも?】家族の中の役割

 家族療法では、治療を受ける人やその人の心の中に問題の原因があるという考えではなく、家族という一つのまとまりをもったシステムの問題である、という見方をします。そして、家族ひとりひとりが、健全に機能していない家族を助けるために、無意識に演じているとされる役割に注目し...