ある漁村での会話




 ある漁村で、旅行中の投資家が現地の一人の漁師と話を交わします。


「家族を養えるくらいだけ少し漁をすると、あとは子供たちと遊び、奥さんと昼寝をして、目が覚めると夕方には仲間とワインを飲みながらギターをかき鳴らすんだ。」


という漁師に対し、投資家は「私はハーバードのMBAを持っているから力になれるよ。」と助言をはじめます。


「もっと多くの時間を釣りに費やし、その収益でより大きなボートを買い、その収入で更にたくさんのボートを買い、その次はいくつかの漁船を抱え・・・直接水揚げを水産物加工業者に卸すことや、自分で缶詰工場をはじめることも出来る。小さな漁村を離れて、もっと都会へ、更にはLAへ行って、最終的にはより企業を大 きくするためにニューヨークに引っ越すんだ。20年、いや25年でそこまでいくよ。」


「その後は?」と聞く漁師に対し、


投資家は「今度は株を売却して大金持ちになるんだ。」と答え、


「さらにその後は?」と聞かれてこう続けます。


「そうしたら一線から引退し、海岸のそばにある小さな漁村にでも引き込んで、適当に魚を釣って、子どもたちと遊び、奥さんと一緒に昼寝をして、目が覚めたら村にくりだして、ワインをすすり、仲間たちとギターをかき鳴らすのさ。」




 このたとえ話は、人それぞれ思うことや気付くことが違うかもしれませんが、私達に人生を豊かに生きるヒントを与えてくれます。


もうすでにかけがえのないものを手に入れていたり、今すぐに理想の生活を送ったりすることが出来るのに、それに気付かずに過ごしていないでしょうか。


世間の価値観に惑わされず、自分の人生のゴールは何なのかを見極めて、今を大切に生きていきたいものです。

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